会社のメリット・デメリット（２０１４／７／５）

自分で商売をしているがまだその商売を会社化していない方（＝個人事業主と呼ばれる方）と話をすると、「会社化したら良いことあるの？」「どのタイミングで会社にしたら良いの？」などよく質問されます。


ということで、今回は商売を会社化することメリット・デメリットについてお話したいと思います。




イメージが良く、社会的信用が大きい

特に会社の中でも株式会社は如実にその差が出ると言われています。

文字にするとわかりやすいと思いますので、例えばあなたが車を探していた場合に、以下の５つの店があったらどこで買いますか？
※商品の内容及び価格は同一

「○○カーショップ」
「株式会社○○カーショップ」
「合同会社○○カーショップ」
「合資会社○○カーショップ」
「合名会社○○カーショップ」

おそらく同条件なら大半の方が「株式会社○○カーショップ」で買うと答えるでしょう。

大企業はほぼ「株式会社」であり、「株式会社」という単語自体が昔から馴染みがあり浸透している言葉でもあるため、そのイメージはとても大きいと思います。

そしてイメージのみでなく、以下のような実質的なメリットもあります。
・銀行の融資が受けやすい
・会社でないと取引しない企業がある
・会社名で通帳を作れる（金融機関によっては個人事業主の事業名では作れないところもある）
・求人に集まりやすい（社会保険があるため）


節税効果が高い

個人事業主は儲ければ儲けるほど税金の比率が増えていきますが、会社は税金の比率が一定のため、儲ければ儲けるほど利益が増えやすくなります。

一般的にそのラインは、所得５００万円以上と言われております。

また、他にも経費として認められやすい費用も増えるため、５００万円以上の所得がある場合は一度税理士に相談して検討してみるべきでしょう。

もしも、身近に税理士がいない方は、会社法務に詳しい税理士の先生をご紹介致しますので、ご希望の場合にはその件だけでもお問合せください。
（紹介料などは一切ご不要です）


経営のリスクが減少

会社と個人事業最大の違いは、会社には法人格と呼ばれ、法律上人格が与えられることでしょう。
言い換えると、会社と社長は完全な別人になるため、会社の借金は会社の借金であり、社長個人としては一切支払う必要がなくなるのです。
（合名会社及び合資会社は除く）

そのため、万が一会社が事業破綻した場合も、出資金のみの損失となるため、個人事業と比べて再起しやすくなるでしょう。
（ただし、社長が会社の連帯保証人になっていた場合は注意）





設立に費用がかかる

個人事業を始める場合は、始めると決めて税務署に届けるだけなので、始めるだけであれば費用は基本的にかかりません。

しかし、会社は登記をして初めて設立となるため、最低でも登記費用分は掛かります。
なお、株式会社の場合は、ご自身でやられても登記費用は２４万円以上は掛かります。
ちなみに当事務所にご依頼いただいた場合は、登記費用は２５万円弱とご自身でやられるのとほぼ変わらない金額です。詳細はこちら


赤字でも一定の税金が掛かる

税金面においてはメリットも挙げましたが、デメリットもあります。
会社は決算時にいくら赤字でも、年間約７万円の法人住民税を支払わなければいけません。


社会保険に加入しなければならない

会社は社会保険（健康保険と厚生年金保険）へ加入しなければならず、その際の保険料の半分を会社が負担する必要があるのです。
会社としては、従業員を増やせば増やすほどその負担は大きくなっていきます。

しかし、メリットでも挙げましたが、求人面においては社会保険完備というだけで非常に大きな力を発揮し、優秀な人材を雇用しやすくなります。


以上、個人事業から会社に切り替えるメリット・デメリットを挙げてみましたが、結論としては、
『個人事業で所得が５００万円を超えて、より会社を大きく成長させたいという思いをお持ちの方』
には会社化を前向きに検討することをお勧めします。