司法書士と弁護士・行政書士との違い（２０１４／９／２７）

まずは「司法書士」と「行政書士」との違い。

これは本当によく聞かれます。
私も「司法書士」になるまでは違いなんて全く知りませんでした。

「行政書士」はカバ●タレという漫画やドラマのおかげで知名度がかなり上がったそうですが、それに対して 「司法書士」はそこまで世間に浸透してるとは言い難いと感じます。


両方ともに共通しているのは年に１回の試験を合格することにより国家資格を得られるという点です。試験の難易度については、「行政書士」のほうが少し楽でした。（両方の試験を合格したうえので感想です）


次に、主な業務の内容における違いとしては
・司法書士にできて行政書士にできない業務
１．登記の代理
２．簡易裁判所における民事訴訟の代理
３．裁判所に提出する書類の作成

・行政書士にできて司法書士にできない業務
１．各種許認可手続の代理
２．官公署に提出する書類の作成

と、このように書き出してもピンとこないとは思います。

あくまで私見ですが大雑把に言えば、「司法書士」は「行政書士」の業務の大半を行うことができるが、「行政書士」は「司法書士」の業務をあまり行うことができないのが現状と感じます。

その最大の理由としては、「司法書士」のできる法定業務のうち

当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務

このような業務があるためと言われます。

このわかりづらい一文を簡単に言い直すと
「当事者の依頼で財産の管理や処分を行う業務」ということです。


この一文の解釈については、様々な論議が繰り返されていますが、財産の管理や処分という非常に抽象的で広範囲の文言を使用しているため、他の法律で禁止を明言されている業務以外はほぼ全てできると解釈できます。


そのため、「司法書士」の中には「行政書士」の試験に合格しても「行政書士」の登録をしない人がかなりいるのが、このような現状を強く物語っていると思います。（かく言う私もそうです）

次に、「司法書士」と「弁護士」との違いですが、これは簡単です。

「弁護士」まさにオールマイティーであり、「司法書士」の業務を全て行うことができます。（もちろん行政書士の業務も全てできます。更に一定の手続きを行えば税理士の業務もできます）

当然、「弁護士」に登録している人で、「司法書士」や「行政書士」に登録している人は皆無と言っても過言ではないでしょう。

また、「弁護士」の試験は非常に高い難易度であり、「司法書士」の試験よりもはるかに難しい印象を受けました。


結論として、
試験の難易度
「弁護士」＞「司法書士」＞「行政書士」
それに比例して、業務の範囲
「弁護士」＞「司法書士」＞「行政書士」
と思います。