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遺産分割協議をする際に未成年者がいる場合（２０１５／７／２３）link policy

お父さんが若くして亡くなった場合には、相続人である子供が未成年のときがあります。

そのような母親と未成年の息子のみが相続人となった場合に、その遺産を母と子で分けるにははどうすればいいのでしょう？

主に２つのパターンになります。



法定相続分（母親半分・息子半分）で分ける場合は、そもそも法律で決められた分配方法となるため、遺産分割協議等の手続きは一切不要になります。



遺産分割協議によって法定相続分以外の割合で分ける場合には、母と子の話合いによって具体的な遺産の分割内容を協議する必要があります。

しかし、遺産分割協議も法律行為の一種のであり、現在の日本の法律では未成年は正常な判断が難しいとのことから原則法律行為を単独で行うことは認められず、親の同意が必要となったり、親が代理人となって行います。
（未成年がゲームソフトを売る時に親の同意書が必要となるのはこのためです。）

となると、母親自身と子供の代理人としての母親の一人二役で協議が行われることとなり、実質は母親一人で全父親の遺産の分配を決めることとなります。
しかし、 この実質一人で遺産を分けることにつき、法律は「利益相反取引」として固く禁じています。

勿論、下のような理由から「母親が一人で遺産の分配をしても良いではないか？」とのご意見は良く聞きます。
・母親が子供を養っていくので母が全部遺産を管理すれば良い。
・子供が小さいうちは子供に多額の財産を持たせるのは危険だ。
・財産が家だけしかないので、私だけにしても全く問題無い。

全てごもっともなご意見はとは思います。
しかし、中には良い母親ばかりではなく、遺産を全部個人の遊興等のために使ってしまう人もいるかもしれません。そうなると子供の正当な権利が害されることとなります。
そこを國は懸念しているのです。


そのため、母と未成年の子供が遺産分割協議を行う場合は、子供に母親以外の代理人を臨時で立てて、その代理人と母親が話し合いをして遺産を分割することが定められています。
この代理人を「特別代理人」と呼びます。





一定の書類を揃えて、母親が子供の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをします。
そこで認められれば、家庭裁判所より選任審判書という書類が発行されるので、それで手続きは完了です。




「特別代理人には誰がなれるの？」という疑問もあるでしょうが、以外と緩く他の相続人以外の成人なら特に制限は無いです。通常は叔父、叔母、祖父母等身内か司法書士等がなることが多いです。
しかし、適当な人がいない場合は、友人知人などの第三者でも問題ありません。